「ボーナス前に退職を伝えたら、減額される?」
「辞めることは決めているけど、できればボーナスは満額もらいたい」
「支給されるまで退職を黙っていた方がいい?」
退職を考えていると、こんな悩みが出てくる方も多いでしょう。
結論からいうと、ボーナス前に退職を伝えたからといって、必ず減額されるわけではありません。
ただし、賞与の扱いは会社によって異なります。
特に確認したいのが、次の3点です。
- ボーナスの支給日に在籍している必要があるか
- 退職予定が賞与査定に影響する仕組みになっているか
- 賞与額がいつ・どのような基準で決まるのか
そのため、「12月にボーナスが出るから、12月まで働けば絶対に満額もらえる」わけではありません。
反対に、金銭面の不確定要素をできるだけ減らしたいのであれば、勤務先の賞与規程を確認したうえで、実際にボーナスが支給されたことを確認してから退職を伝えるという方法も考えられます。
- 退職を伝えただけで、ボーナスが必ず減額されるわけではない
- まず「支給日在籍要件」と「査定基準」を確認する
- 査定期間をすべて働いていても、支給日前に退職すると受け取れない場合がある
- 支給日に在籍していても「必ず満額」とは限らない
- 今回の賞与への影響をできるだけ避けたいなら、支給確認後に伝える方法が分かりやすい
- ただし、有給消化・退職日・転職先の入社日から逆算することも重要
この記事では、ボーナス前に退職を伝えるとどうなるのか、どのタイミングで伝えれば損を減らしやすいのかを、具体例を使って分かりやすく解説します。
- 結論|ボーナスをできるだけ確実に受け取りたいなら支給確認後が分かりやすい
- 【具体例】12月10日がボーナス支給日なら、いつ退職を伝える?
- ボーナス前に退職を伝えると減額される可能性はある?
- 最重要|「支給日在籍要件」があるか確認する
- 査定期間が終わっていれば減額されない?
- 退職予定者だからという理由でボーナスを大幅に減らされることはある?
- 支給日に在籍していれば必ず満額もらえる?
- 退職前に確認するべき賞与規程の6項目
- ボーナスをもらった翌日に退職を伝えても大丈夫?
- ボーナスをもらってすぐ辞めたら返金しないといけない?
- ボーナスを大幅に減額された場合はどうする?
- ボーナス前・ボーナス後、どちらに退職を伝えるべき?
- ボーナス・有給・退職日で損しにくい逆算方法
- ボーナス後に退職を伝えるときの例文
- 「ボーナスをもらってから辞めるのはずるい?」と感じる人へ
- ボーナス後まで待ちたいけど、もう仕事が限界なら?
- ボーナス前の退職についてよくある質問
- まとめ|ボーナス前に退職を伝えるなら「支給日・規程・有給」を確認しよう
結論|ボーナスをできるだけ確実に受け取りたいなら支給確認後が分かりやすい
「結局、いつ退職を伝えればいいの?」
ここが一番知りたいところではないでしょうか。
今回のボーナスへの影響をできるだけ避けたいという点だけで考えるなら、実際に支給されたことを確認してから退職を伝える方法が分かりやすいでしょう。
たとえば、冬のボーナス支給日が12月10日なら、12月10日に入金を確認し、12月11日以降に退職の意思を伝えるという考え方です。
すでに今回の賞与が支給されたあとであれば、
「退職を伝えたことで、今回のボーナス査定に影響するのでは?」
という不安を減らしやすくなります。
ただし、誰でも「ボーナス支給後まで待てばいい」というわけではありません。
たとえば、
- 有給休暇が大量に残っている
- 転職先の入社日が決まっている
- 退職希望日まで時間がない
- 引き継ぎに時間がかかる
- すでに仕事を続けるのがかなりつらい
という場合は、ボーナスだけを優先すると別の問題が出てくる可能性があります。
したがって、正確には、
ボーナス支給日+有給残日数+退職希望日+転職先の入社日
この4つをセットで考えることが大切です。
【具体例】12月10日がボーナス支給日なら、いつ退職を伝える?
具体例で考えてみましょう。
次のような工場勤務者を想定します。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| ボーナス支給日 | 12月10日 |
| 退職希望日 | 1月31日 |
| 有給残日数 | 20日 |
| 勤務 | 週5日 |
| 引き継ぎ | 約2週間を想定 |
今回のボーナスへの影響をできるだけ避けたいのであれば、たとえば次のような流れが考えられます。
まず、実際に賞与が支給されたことを確認します。
上司など会社所定の相手へ、退職の意思と希望日を伝えます。
担当業務・設備・作業内容・注意事項など、必要な引き継ぎを進めます。
退職日までの所定労働日を確認しながら、有給消化を進めます。
有給消化などを終えて、正式に退職します。
ただし、これはあくまで一例です。
有給残日数、勤務カレンダー、雇用契約、希望する退職日などによってスケジュールは変わります。
特に工場勤務では、年末年始の休業日や交替勤務、繁忙期などによって「実際に有給を使える所定労働日」が変わることがあります。
カレンダー上の日数だけではなく、自分の所定労働日で逆算することが重要です。
ボーナス前に退職を伝えると減額される可能性はある?
ボーナス前に退職を伝えた場合、勤務先の賞与制度によっては金額に影響する可能性があります。
ただし、
「退職すると言った=自動的にボーナス減額」
という単純な仕組みではありません。
賞与は会社によって、
- 会社の業績
- 本人の勤務成績
- 個人評価
- 査定期間中の勤務状況
- 基本給や役職
- 会社独自の算定基準
- 今後の勤務への期待
などをもとに決められる場合があります。
そのため、同じ「退職予定者」であっても、会社によって扱いが異なります。
賞与は毎月の給与と同じ決まり方とは限らない
毎月の給与と賞与は、同じように考えない方がよいでしょう。
厚生労働省の「モデル就業規則」でも、賞与を支給する場合には、支給対象時期・算定基準・査定期間・支払方法などを明確にしておくことが必要とされています。
つまり、
「うちの会社では、どのような条件でボーナスが決まるのか」
を確認することが重要です。
ネット上で一般論だけを調べるよりも、まず自分の勤務先の就業規則・賃金規程・賞与規程を確認しましょう。
最重要|「支給日在籍要件」があるか確認する
ボーナスをもらえるかどうかを考えるうえで、特に重要なのが「支給日在籍要件」です。
難しそうに聞こえますが、意味はシンプルです。
「ボーナスの支給日に会社へ在籍している人を支給対象とする」というルールです。
たとえば、冬のボーナス支給日が12月10日で、勤務先の賞与規程に、
「賞与は支給日に在籍する従業員に支給する」
という内容が定められていたとします。
この場合、12月9日までに退職してしまうと、査定期間中をすべて働いていたとしても、賞与を受け取れない可能性があります。
最高裁でも支給日在籍要件が問題になった判例がある
支給日在籍要件については、最高裁まで争われた有名な判例があります。
「大和銀行事件(最高裁第一小法廷・昭和57年10月7日判決)」です。
この事件では、賞与の支給日に在籍している従業員だけに賞与を支給するという慣行があり、その後、就業規則にも明文化されていました。
賞与の対象となる期間に勤務していたものの、支給日前に退職した従業員が賞与の支払いを求めましたが、最高裁は、その事実関係のもとで支給日に在籍する者のみを対象とする扱いについて合理性を認め、賞与の受給権を否定した原審判断を是認しています。
「査定期間をすべて働いた=必ずボーナスがもらえる」ではありません。
勤務先に支給日在籍要件がある場合は、支給日に在籍しているかどうかも重要になります。
査定期間が終わっていれば減額されない?
「ボーナスの査定期間はもう終わっている。それなら退職を伝えても満額もらえるのでは?」
と思う方もいるでしょう。
しかし、査定期間が終了しただけで、必ず賞与額が確定しているとは限りません。
たとえば、4月~9月が冬の賞与の査定期間だったとしても、実際の支給額を決める際に、
- 査定期間中の勤務実績
- 個人評価
- 会社業績
- 欠勤・休職などの状況
- 会社独自の算定基準
などが考慮される場合があります。
さらに、支給日在籍要件が設けられている会社なら、査定期間をすべて勤務していても、支給日前に退職することで支給対象外になる可能性があります。
したがって、
「査定期間が終わったから、もう絶対に大丈夫」
と自己判断しない方が安全です。
退職予定者だからという理由でボーナスを大幅に減らされることはある?
ここも非常に気になるところでしょう。
会社によっては、賞与にこれまでの勤務実績だけでなく、今後の勤務への期待などの性格が含まれている場合があります。
そのため、退職予定が賞与査定の一要素になるケース自体は考えられます。
しかし、
「辞める人だから、好きなだけ減額していい」
ということではありません。
ベネッセコーポレーション事件では大幅な減額が争われた
退職予定者の賞与減額については、ベネッセコーポレーション事件(東京地方裁判所・平成8年6月28日判決)があります。
この事件では、年内に退職予定の従業員について、通常の賞与と比べて大きく減額する制度の妥当性が争われました。
ベネッセコーポレーション事件では、退職予定者であることを賞与額に反映させること自体について、一定の合理性が認められました。
ただし、退職予定者だからといって、会社が自由に大幅な減額をしてよいわけではありません。
賞与の性格や会社の規程、減額の程度などを踏まえて、個別に判断されます。
したがって、退職を伝えたあとに、前回までと比べて明らかに大幅な減額を受けた場合は、
- 賞与規程
- 査定基準
- 今回の評価
- 会社から説明された減額理由
を確認しましょう。
単に「前回より少ない」というだけでは、退職が原因とは限りません。
会社業績や個人評価そのものが変わっている可能性もあるためです。
支給日に在籍していれば必ず満額もらえる?
いいえ。支給日に在籍しているからといって、必ず満額になるとは限りません。
ここは「ボーナスをもらえる条件」と「いくらもらえるか」を分けて考えると分かりやすいです。
| 確認すること | 意味 |
|---|---|
| 支給対象か | そもそも賞与を受け取る条件を満たしているか |
| 支給額はいくらか | 査定・業績・算定基準などから実際の金額が決まる |
たとえば賞与規程に、
「支給日に在籍している従業員へ賞与を支給する」
と書かれていても、それだけで全員が同額・満額になるという意味ではありません。
支給日在籍要件を満たしていても、実際の賞与額は査定基準によって変わる可能性があります。
退職前に確認するべき賞与規程の6項目
退職を会社へ伝える前に、可能であれば勤務先の就業規則・賃金規程・賞与規程を確認しておきましょう。
特に確認したいのは次の6項目です。
- 賞与の支給日
- 賞与の査定期間
- 支給日在籍要件の有無
- 賞与額の算定方法
- 退職予定者に関する規定
- 欠勤・休職などによる減額規定
社内イントラネット、就業規則ファイル、人事・総務部門などで確認できる場合があります。
特に、
「賞与は支給日に在籍する者に支給する」
「会社の業績および本人の勤務成績等を勘案して支給する」
といった記載がないか確認しておきましょう。
ボーナス前に退職を伝えるか迷っているなら、最初にやることは「会社へ相談すること」ではありません。
まず自分の勤務先の賞与ルールを確認することです。
ルールを確認してから、ボーナス・退職日・有給の順番を組み立てましょう。
ボーナスをもらった翌日に退職を伝えても大丈夫?
「ボーナスを受け取った翌日に退職を伝えたら、会社から非常識だと思われそう……」
このように心配する方もいるでしょう。
ボーナスを受け取った翌日に退職の意思を伝えること自体を、一律に禁止する法律があるわけではありません。
そのため、ボーナス支給後に退職を申し出たという理由だけで、直ちに問題になるとはいえません。
ただし、
- いつ退職できるのか
- 有給休暇をどれくらい消化できるのか
- 引き継ぎ期間を確保できるのか
- 転職先の入社日に間に合うのか
については別に考える必要があります。
つまり、
「ボーナスをもらった翌日に退職を伝えてよいか」と「希望日に退職できるか」は別の問題です。
希望する日に退職できるのか不安な方は、退職日の決め方も確認しておきましょう。
「ボーナスをもらったから数か月働かなければならない」とは限らない
通常の賞与を受け取ったからといって、それだけで、
「あと3か月働かなければならない」
「半年間は辞めてはいけない」
といった義務が自動的に発生するわけではありません。
ただし、退職時期については雇用契約の種類や就業規則などによって確認すべき点があります。
特に、期間の定めがある有期雇用契約の場合は、無期雇用契約と同じように考えない方がよいケースもあります。
そのため、ボーナス支給後すぐに退職したい場合でも、まず自分の雇用契約を確認しておきましょう。
「ボーナスだけもらって辞めると思われそう」と気にしすぎなくていい
工場勤務では、同じ班の人数が少なかったり、人手不足だったりすると、
「ボーナスをもらってすぐ辞めたら迷惑かな……」
と気になることもあるでしょう。
もちろん、できる範囲で引き継ぎをすることは大切です。
しかし、退職時期を決める際に考えるべきなのは、周囲からどう思われるかだけではありません。
- 自分の生活費
- 有給休暇
- 退職希望日
- 転職先の入社日
- 現在の仕事を続けられる状態か
まで含めて考える必要があります。
まだ次の仕事が決まっていない状態で退職するのが不安な方は、こちらも参考にしてください。
▶ 転職先が決まってないけど辞めたいときの判断ポイントを見る
ボーナスを諦めることだけが会社への配慮ではありません。
担当している仕事を整理し、必要事項を引き継いだうえで退職することも立派な配慮です。
ボーナスをもらってすぐ辞めたら返金しないといけない?
「ボーナスを受け取ったあとに退職したら、会社から返せと言われるのでは?」
と不安になる方もいるでしょう。
通常の賞与については、「賞与を受け取ったあとに退職した」という理由だけで、当然に返還義務が生じるわけではありません。
ただし、入社祝い金や資格取得支援金、会社独自の特別手当など、一定期間勤務することを条件として支給されるお金は別に考える必要があります。
会社から返還を求められた場合は、支給されたお金の名称だけで判断せず、支給条件や就業規則、契約内容を確認しましょう。
一度支給された通常の賞与と、一定期間勤務することなどを条件とした別の金銭は、分けて考える必要があります。
「通常の賞与」と「条件付きのお金」を分けて考える
会社から支給されるお金には、賞与以外にもさまざまなものがあります。
| 種類 | 確認ポイント |
|---|---|
| 通常の賞与 | 賞与規程・査定基準・支給条件 |
| 入社祝い金 | 一定期間勤務する条件があるか |
| 資格取得支援金 | 退職時の返還条件が定められているか |
| 会社独自の特別手当 | 支給条件・返還条件を確認 |
名称が「ボーナス」「手当」などとなっていても、実際の制度内容によって扱いが異なることがあります。
会社から返還を求められた場合は、
- 何という名目のお金なのか
- 何を根拠に支給されたのか
- 返還条件が規程に定められているのか
を確認しましょう。
「ボーナスだから絶対に返さなくていい」「会社から言われたから必ず返す」と自己判断しないことが大切です。
ボーナスを大幅に減額された場合はどうする?
退職を伝えたあと、予想していたボーナスより大幅に少なかった場合、
「退職すると言ったから減らされたのでは?」
と疑いたくなるかもしれません。
しかし、まずは落ち着いて原因を確認しましょう。
ボーナス額が前回より少ないからといって、必ずしも退職だけが原因とは限りません。
- 会社の業績が悪化した
- 部署全体の支給水準が下がった
- 個人評価が変わった
- 欠勤・休職などが査定に影響した
- 賞与制度そのものが変更された
といった可能性もあります。
STEP1|賞与規程と査定基準を確認する
最初に確認したいのは、勤務先の賞与に関するルールです。
- 賞与の算定方法
- 査定期間
- 個人評価の扱い
- 退職予定者の扱い
- 欠勤・休職などの減額ルール
を確認してください。
STEP2|会社へ算定理由を確認する
規程だけでは分からない場合は、人事や総務などへ確認する方法があります。
たとえば、
「今回の賞与額について、どのような基準で算定されたのか確認させていただけますか?」
と聞けば、感情的な言い方になりにくいでしょう。
「退職するから減らしたんですよね?」
と最初から決めつけるより、まず算定理由を確認する方が状況を整理しやすくなります。
STEP3|納得できなければ公的な相談窓口も検討する
会社の説明と賞与規程の内容が大きく違うなど、どうしても納得できない場合は、公的な相談窓口を利用する方法もあります。
たとえば、都道府県労働局の総合労働相談コーナーでは、労働問題に関する相談を受け付けています。
相談するときは、できれば次の資料を整理しておきましょう。
- 就業規則
- 賞与規程・賃金規程
- 給与・賞与明細
- 会社から説明された内容
- 退職の意思を伝えた日
- 過去の賞与額が分かる資料
資料がある方が、相談先でも状況を説明しやすくなります。
ボーナス前・ボーナス後、どちらに退職を伝えるべき?
ここまで読むと、
「結局、ボーナス前と後のどちらで言えばいいの?」
と思うかもしれません。
どちらにもメリット・デメリットがあります。
| タイミング | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ボーナス前に伝える | 退職日まで余裕を確保しやすい 有給消化を組みやすい 引き継ぎ期間を確保しやすい |
会社によっては退職予定が査定に影響する可能性がある 賞与額が確定する前に退職予定を知られる |
| ボーナス後に伝える | 今回の賞与支給を確認してから動ける 賞与査定への不安を減らしやすい |
退職までの日数が短くなる 有給を使い切れない可能性がある 引き継ぎ期間が短くなることがある |
簡単に整理すると、
今回のボーナスを優先したい
→ 賞与規程を確認したうえで、支給確認後に退職を伝える方法を検討
有給消化や入社日を優先したい
→ ボーナス支給前に伝えることも含めて早めに逆算
ボーナス・有給・退職日で損しにくい逆算方法
退職時期を考えるときにありがちな失敗が、
「とにかくボーナスをもらってから考えよう」
と、ボーナスだけを基準にしてしまうことです。
ボーナスを受け取れても、残っている有給をほとんど使えなくなれば、結果的に別の損につながる可能性があります。
「有給を消化するのと、買い取ってもらうのではどちらが得?」と迷っている方はこちらも参考にしてください。
次の順番で考えると整理しやすくなります。
まず実際の支給日を確認します。
支給日に会社へ在籍することが条件なのか確認します。
「いつまでに辞めたいのか」を決めます。
残っている有給休暇の日数を確認します。
会社の所定労働日を見ながら逆算します。
有給消化に入る前の最終出社日を考えます。
必要な引き継ぎ日数を確保します。
最後に、会社へ退職の意思を伝える時期を決めます。
有給40日なら、消化だけで約8週間かかる
特に注意したいのが、有給休暇が大量に残っているケースです。
たとえば、有給休暇が40日残っていて週5日勤務の場合、40日すべてを消化するには、単純計算で約8週間分の勤務日が必要です。
ただし、年末年始などの会社休日には有給休暇を使わないため、実際には会社カレンダー上の所定労働日を確認して逆算する必要があります
つまり、1月31日に退職したい人が12月中旬まで退職を伝えずにいると、年末年始の休業日などもあり、有給40日をすべて消化するのが難しくなる可能性があります。
工場では会社カレンダーによって祝日出勤や長期連休が設定されていることもあります。
「退職日まであと50日あるから、有給40日は使える」と単純に考えず、実際の所定労働日を数えることが重要です。
有給が大量に残っている方は、こちらの記事も確認しておきましょう。
▶ 退職で有給40日を消化するならいつ言う?退職日から逆算して解説
ボーナス後に退職を伝えるときの例文
ボーナスを受け取ったあとに退職を伝える場合でも、
「ボーナスをもらいたかったので、今日まで黙っていました」
と自分から説明する必要はありません。
基本的には、退職の意思と希望する退職日を簡潔に伝えればよいでしょう。
上司へ直接伝える場合
たとえば、次のように伝えます。
「お時間をいただきありがとうございます。今後の働き方について考えた結果、〇月〇日をもって退職したいと考えています。必要な引き継ぎについては、できる範囲で対応したいと思っています。」
退職理由を細かく説明しすぎる必要はありません。
まず面談時間を取ってもらう場合
現場や工場では、班長や上司が忙しく、突然話しかけても時間を取ってもらえないことがあります。
その場合は、まず、
「今後の働き方についてご相談したいことがあります。少しお時間をいただけますでしょうか。」
と伝えて、面談の時間を確保すると話しやすくなります。
退職を伝える具体的な方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「ボーナスをもらってから辞めるのはずるい?」と感じる人へ
ボーナスを受け取ったあとに退職することについて、
- 会社に申し訳ない
- 同僚から悪く思われそう
- ボーナスだけもらって逃げるみたいで気まずい
と感じる方もいるかもしれません。
特に人手不足の工場では、1人辞めるだけでも現場に負担がかかることがあります。
そのため、責任感が強い人ほど悩みやすいでしょう。
しかし、会社への配慮は「自分がボーナスを諦めること」だけではありません。
たとえば、
- 担当している作業を整理する
- 機械操作や注意点を引き継ぐ
- 必要な連絡事項を書き残す
- 工具や貸与品を整理する
- できる範囲で引き継ぎを進める
ことも会社への配慮です。
自分の生活を守りながら、できる範囲の準備をして退職する。
それで十分だと考えてよいでしょう。
ボーナス後まで待ちたいけど、もう仕事が限界なら?
「あと1か月働けばボーナスが出る」
「あと2週間だけ我慢すれば支給日になる」
そう考えて働き続けている方もいるかもしれません。
しかし、ボーナスは大切なお金であっても、何があっても支給日まで耐えなければならないわけではありません。
たとえば、
- 毎朝会社へ行くのが強い苦痛になっている
- 上司から高圧的な対応を受けている
- 退職を何度伝えても引き止められる
- 会社と直接話すこと自体が大きな負担になっている
という場合は、ボーナスだけを理由に退職を先延ばしにするのではなく、今後の働き方を改めて考えることも大切です。
自分で退職を伝えられるなら、まず通常の退職手続きを進める
自分で退職の意思を伝えられる状況であれば、まずは上司などへ退職の意思を伝え、通常の退職手続きを進めるのが基本です。
退職日・有給消化・引き継ぎについて会社と調整していきましょう。
会社と直接やり取りするのが難しいなら退職代行も選択肢
一方で、
- 上司が怖くて退職を言い出せない
- 何度伝えても辞めさせてもらえない
- 強い引き止めを受けている
- 会社からの電話や連絡そのものが負担になっている
という場合は、退職代行を選択肢の一つとして比較する方法もあります。
ただし、退職代行はどこを利用しても同じではありません。
料金だけでなく、
- 運営元
- 対応できる範囲
- 会社とのやり取りの範囲
- 追加料金の有無
- サポート内容
などを比較して選ぶことが重要です。
ボーナス前の退職についてよくある質問
ボーナス前に退職を伝えると必ず減額されますか?
必ず減額されるわけではありません。
賞与規程や査定基準などによって扱いが異なります。
まず支給日在籍要件と賞与の算定方法を確認しましょう。
退職届を出したあとでもボーナスはもらえますか?
会社の賞与規程によって異なります。
たとえば「賞与支給日に在籍していること」が支給条件となっている会社では、退職届を提出済みでも、支給日時点で在籍していれば支給対象になる可能性があります。
ただし、支給日在籍要件を満たすことと、満額支給されることは別です。
ボーナスをもらった翌日に退職を伝えても大丈夫ですか?
ボーナス支給の翌日に退職の意思を伝えること自体を、一律に禁止する法律があるわけではありません。
ただし、希望日に退職できるかどうかは雇用契約の種類、退職日までの日数、有給残日数なども確認する必要があります。
ボーナスをもらってすぐ辞めたら返金が必要ですか?
通常の賞与について、受給後に退職したという理由だけで、自動的に返還義務が生じるとは限りません。
一方、一定期間勤務することを条件とした祝い金や支援金などは別途確認が必要です。
会社から返還を求められた場合は、支給根拠や規程を確認しましょう。
まとめ|ボーナス前に退職を伝えるなら「支給日・規程・有給」を確認しよう
ボーナス前に退職を伝えたからといって、必ず賞与が減額されるわけではありません。
しかし、ボーナスの扱いは勤務先の賞与制度によって異なります。
退職を伝える前に、最低でも次の3点を確認しておきましょう。
- 賞与の支給日と支給日在籍要件を確認する
- 賞与の査定基準・退職予定者の扱いを確認する
- 有給・退職日・転職先の入社日から逆算する
今回のボーナスへの影響をできるだけ避けたいという点だけで考えるなら、賞与規程を確認したうえで、実際の支給を確認してから退職を伝える方法は分かりやすい選択肢です。
ただし、ボーナス後まで待ったことで有給消化の時間がなくなったり、転職先の入社日に間に合わなくなったりしては本末転倒です。
迷った場合は、次の順番で確認してみてください。
- ボーナス支給日を確認
- 支給日在籍要件を確認
- 賞与の査定ルールを確認
- 退職希望日を決める
- 有給残日数を確認
- 最終出社日を逆算する
- 退職を伝える日を決める
「ボーナスをもらえるか」だけではなく、「有給を使えるか」「希望日に辞められるか」まで含めて考えることが、損を減らすポイントです。
退職後すぐに転職する予定がある方は、再就職手当など「退職後にもらえる可能性があるお金」も確認しておくと安心です。
▶ 退職後すぐ就職したらもらえるお金はある?再就職手当の条件を見る
そして、退職したい気持ちは固まっているのに、上司が怖い、何度言っても引き止められる、会社と直接やり取りするのが難しいという場合は、退職方法そのものを比較してみるのも一つの方法です。

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