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パワハラで退職願に「一身上の都合」と書いていい?不利になるケースと例文を解説
「本当はパワハラが原因で辞めるのに、退職願には“一身上の都合”と書かないといけないの?」
「一身上の都合と書いたら、あとでパワハラが原因だったと言えなくなる?」
「退職願にパワハラと書いた方がいいのか、それとも書かない方がいいのか分からない」
パワハラが原因で退職を考えている方にとって、退職願の理由をどう書くかはかなり悩みやすい部分です。
自分の都合で辞めるわけではないのに、「一身上の都合」と書くことに違和感がある方もいるでしょう。
結論からいうと、パワハラが原因で退職する場合でも、退職願に「一身上の都合」と書くこと自体は可能です。
ただし、会社にパワハラ被害を正式に伝えたい場合や、慰謝料請求・離職理由の訂正・労災申請などを考えている場合は、安易に「一身上の都合」とだけ書く前に慎重に判断した方がよいです。
この記事では、パワハラで退職する場合に、退職願へ「一身上の都合」と書いていいのか、パワハラと書くべきケース、書かない方がいい表現、すぐ使える例文まで分かりやすく解説します。
結論|パワハラ退職でも「一身上の都合」と書ける
退職願のテンプレートでは、よく次のような文章が使われます。
このたび、一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
この「一身上の都合」は、退職理由を細かく書かずに、本人側の事情としてまとめる表現です。
転職、家庭の事情、人間関係、体調不良、仕事内容が合わないなど、詳しい理由を会社に書面で伝えたくないときによく使われます。
そのため、パワハラが本当の退職理由であっても、退職願そのものには「一身上の都合」と書き、パワハラの詳しい内容は別の記録として残す方法があります。
つまり、「パワハラが原因だから、退職願に一身上の都合と書いたら絶対にダメ」とまでは言えません。
ただし、次のような場合は注意が必要です。
- 会社にパワハラ被害を正式に伝えたい
- 退職後に慰謝料請求を考えている
- 離職票の退職理由で争う可能性がある
- 労災申請を考えている
- すでに会社へパワハラ相談をしている
このような場合は、退職願に何を書くかだけで判断せず、証拠の残し方や会社への伝え方も含めて考える必要があります。
退職願に「一身上の都合」と書いてもよいケース
まずは、パワハラが原因でも退職願に「一身上の都合」と書いて進めやすいケースから見ていきます。
とにかく早く辞めることを優先したい場合
パワハラで限界になっている方の中には、「会社と争いたい」というより、まずは今の職場から離れたいという方も多いはずです。
この場合、退職願にパワハラの詳細を書きすぎると、人事や上司から事情を聞かれたり、会社側と話し合いが増えたりする可能性があります。
もちろん、会社が事実確認をすること自体はおかしなことではありません。
しかし、精神的に追い込まれている状態で、パワハラ上司や会社と何度もやり取りするのは大きな負担になることがあります。
そのため、まず退職手続きを優先したい場合は、退職願には「一身上の都合」と簡潔に書き、パワハラの経緯は別で記録しておく方法もあります。
退職願に詳しい事情を書きたくない場合
退職願は、一般的には会社に対して「退職させてほしい」と申し出るために使われる書類です。
一方で、会社の承諾を待たずに「退職します」と明確に意思表示する書類として、退職届が使われることもあります。
ただし、法律上は書類のタイトルだけで決まるわけではなく、実際にどのような内容で退職の意思を伝えたのかによって判断されます。
「退職願と退職届は何が違うの?」「退職願を出さずに退職届だけでもいい?」と迷っている方は、退職願と退職届の違い・出す順番も確認しておきましょう。
いずれにしても、退職願や退職届はパワハラの詳しい被害内容をすべて書き込むための書類ではありません。
たとえば、次のような内容まで退職願に細かく書く必要はありません。
- いつ暴言を受けたのか
- 誰から何を言われたのか
- どの場所で起きたのか
- 周囲に誰がいたのか
- 何回繰り返されたのか
- 会社へいつ相談したのか
このような詳しい内容は、退職願ではなく、別紙のメモや証拠として整理した方が分かりやすいです。
退職願にすべて詰め込もうとすると、文章が感情的になったり、争点がぼやけたりする可能性があります。
会社と大きく揉めずに退職したい場合
退職願に「パワハラ」と書くと、会社側が反応する可能性があります。
人事から詳しい説明を求められたり、上司が否定してきたり、退職手続きとは別にハラスメント調査が始まったりすることもあります。
会社の対応によっては、退職までの時間が精神的にしんどくなるかもしれません。
そのため、会社とのやり取りをできるだけ増やさずに辞めたい場合は、「一身上の都合」と書いて退職手続きを進める選択肢があります。
ただし、これは「パワハラをなかったことにする」という意味ではありません。
退職願は簡潔にしつつ、パワハラの証拠や相談履歴は別で残しておくことが大切です。
退職願に「パワハラ」と書くことを検討した方がいいケース
一方で、退職願に「一身上の都合」とだけ書くのではなく、パワハラやハラスメントが退職理由であることを記載する選択肢もあります。
特に次のような場合は、慎重に検討した方がよいです。
会社にパワハラが原因だと明確に伝えたい場合
退職願に「一身上の都合」とだけ書くと、会社側には具体的な退職理由が伝わりません。
そのため、会社に対して「パワハラが原因で退職する」と明確に伝えたい場合は、退職理由としてハラスメントについて書く方法があります。
たとえば、次のような表現です。
職場におけるハラスメントにより就業を継続することが困難となったため、〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
ただし、「パワハラ」という言葉を使う場合は、感情的に書きすぎないことが大切です。
退職願では、長々と被害内容を書くよりも、退職理由を簡潔に示す方が現実的です。
退職願だけでなく、「パワハラを退職理由として会社へどう伝えればいい?」と悩んでいる方は、パワハラを退職理由として伝えるときのポイントと注意点も参考にしてください。
すでに人事や相談窓口へパワハラ相談をしている場合
すでに会社へパワハラを相談している場合は、退職願の内容とこれまでの相談内容に大きなズレが出ないよう注意が必要です。
たとえば、会社へ何度も「上司の暴言で働き続けられない」と相談していたのに、退職願だけ突然「一身上の都合」と書くと、あとで説明が必要になる可能性があります。
もちろん、「一身上の都合」と書いたからといって、直ちにパワハラの事実が消えるわけではありません。
ただ、退職に至る経緯を後から説明しやすくするためには、会社へ相談した記録、メール、メモなどを残しておくことが重要です。
慰謝料請求や法的対応を考えている場合
パワハラについて慰謝料請求や損害賠償請求を考えている場合は、退職願の書き方も慎重に考えた方がよいです。
退職願に何を書いたかだけで全てが決まるわけではありませんが、退職時にどのような理由で退職を申し出たのかは、あとで確認される可能性があります。
この場合は、自己判断で書類を出す前に、弁護士などの専門家へ相談することも検討しましょう。
特に、退職後に会社と争う可能性が高い場合は、「早く出せばいい」と考えるより、証拠を整理してから動く方が安全なこともあります。
慰謝料請求や離職理由をめぐって弁護士への相談を考えている方は、退職トラブルを弁護士へ相談するときの費用も事前に確認しておきましょう。
離職票の退職理由が心配な場合
パワハラが原因で退職する場合、退職後に離職票の退職理由が気になる方も多いです。
会社が「自己都合退職」として処理していても、実際にはパワハラや嫌がらせが原因で退職した場合、雇用保険上の離職理由についてハローワークで確認されることがあります。
ただし、本人が「パワハラだった」と言えば自動的に認められるわけではありません。
実際の出来事、会社への相談履歴、メール、録音、メモ、医療機関の記録などが判断材料になる場合があります。
そのため、離職理由が心配な場合も、退職願だけで何とかしようとせず、退職に至った経緯を別で整理しておきましょう。
退職願にパワハラと書くメリット
退職願にパワハラやハラスメントについて書くことには、いくつかのメリットがあります。
退職理由を会社へ明確に伝えられる
「一身上の都合」だけでは、会社側には本当の退職理由が分かりません。
一方で、退職願にハラスメントが理由であることを書けば、少なくとも本人がその問題を退職理由として会社へ伝えたことになります。
会社に問題を認識してほしい場合は、意味のある行動になる可能性があります。
退職時点で訴えていた記録の一つになる
退職願のコピーを残しておけば、退職時点でハラスメントを理由に退職を申し出ていたことを示す材料の一つになる場合があります。
ただし、退職願に「パワハラ」と書いただけで、その事実が証明されるわけではありません。
具体的な証拠としては、録音、メール、チャット、相談記録、日々のメモなどの方が重要になることがあります。
会社が調査するきっかけになる場合がある
人事や総務がパワハラの事実を知らなかった場合、退職願をきっかけに問題を把握する可能性があります。
会社によっては、ハラスメント相談窓口やコンプライアンス部門が事実確認を行うこともあります。
ただし、会社が必ずパワハラを認めるとは限りません。
上司側が「業務上必要な指導だった」と反論する可能性もあります。
退職願にパワハラと書くデメリット
退職願にパワハラと書くことは、メリットだけではありません。
人によっては、退職までの負担が増える可能性もあります。
会社から詳しい説明を求められる可能性がある
退職願にハラスメントと書けば、会社から次のように聞かれる可能性があります。
具体的に、いつ、誰から、どのような行為を受けたのですか?
人事が事実確認をするために、本人への聞き取り、上司への確認、周囲へのヒアリングを行う場合もあります。
それ自体は会社の対応として自然な面もありますが、退職したい本人にとっては大きな負担になることがあります。
会社側がパワハラを否定する可能性がある
本人がパワハラだと感じていても、会社側がすぐに認めるとは限りません。
特に、上司が次のように主張することがあります。
あれは業務上必要な指導だった
本人の受け止め方の問題だ
そこまで強い言い方はしていない
このように見解が対立すると、退職手続きだけでなく、パワハラの事実確認も同時に進むことになります。
「もう会社と話したくない」という状態の方にとっては、かなりしんどい展開になる可能性があります。
退職までのやり取りが増える可能性がある
退職願にパワハラと書くと、退職日、引き継ぎ、有給消化、離職理由、調査対応など、複数の問題が同時に出てくることがあります。
そのため、退職願にパワハラと書くかどうかは、次のように分けて考えると分かりやすいです。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| とにかく早く辞めたい | 退職願は「一身上の都合」で簡潔にする選択肢がある |
| 会社にパワハラを正式に伝えたい | ハラスメントが理由であることを簡潔に書く方法がある |
| 慰謝料請求も考えている | 退職願を出す前に専門家へ相談した方が安心 |
| 離職理由が心配 | 退職願だけでなく、証拠や相談履歴を残すことが重要 |
パワハラで辞める場合の退職願の例文
ここからは、パワハラが原因で退職する場合に使える退職願の例文を紹介します。
ただし、退職願は会社に提出する正式な書類です。
強い怒りや悔しさがあっても、感情的な言葉を並べるより、簡潔で冷静な表現にした方が安全です。
例文1|一身上の都合で簡潔にする場合
会社と大きく揉めず、まず退職手続きを進めたい場合は、一般的な「一身上の都合」を使う方法があります。
退職願
このたび、一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
〇年〇月〇日
所属部署 〇〇部〇〇課
氏名 〇〇〇〇
株式会社〇〇
代表取締役 〇〇〇〇 殿
この書き方は、退職理由を詳しく書かずに済む点がメリットです。
ただし、パワハラの事実まで残したい場合は、退職願とは別に、録音・メール・メモ・相談記録などを整理しておきましょう。
例文2|職場のハラスメントを理由に書く場合
会社に対して、ハラスメントが退職理由であることを明確に伝えたい場合は、次のような書き方が考えられます。
退職願
職場におけるハラスメントにより就業を継続することが困難となったため、〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
〇年〇月〇日
所属部署 〇〇部〇〇課
氏名 〇〇〇〇
株式会社〇〇
代表取締役 〇〇〇〇 殿
「パワハラ」と断定して書くことに不安がある場合は、「職場におけるハラスメント」という表現にする方法もあります。
退職願では理由を簡潔に書き、具体的な出来事は別紙や相談記録として整理した方が伝わりやすいです。
例文3|体調への影響が出ている場合
パワハラによって心身に不調が出ている場合は、体調面を理由に含める方法もあります。
退職願
職場環境による心身の不調により就業を継続することが困難となったため、〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
〇年〇月〇日
所属部署 〇〇部〇〇課
氏名 〇〇〇〇
株式会社〇〇
代表取締役 〇〇〇〇 殿
医療機関を受診している場合は、診断書や受診日が分かる記録も保管しておきましょう。
ただし、診断書を必ず退職願に添付しなければならないとは限りません。
会社から求められた場合や、退職理由を説明する必要がある場合に備えて、手元に保管しておくと安心です。
例文4|すでに会社へパワハラ相談をしている場合
すでに人事・総務・相談窓口などへパワハラについて相談している場合は、その経緯と矛盾しない表現にすることも大切です。
退職願
〇年〇月〇日に相談いたしました職場環境に関する事情により、就業を継続することが困難となったため、〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
〇年〇月〇日
所属部署 〇〇部〇〇課
氏名 〇〇〇〇
株式会社〇〇
代表取締役 〇〇〇〇 殿
この表現なら、すでに相談していた事実に触れながら、退職願の中で細かい被害内容を長々と書かずに済みます。
ただし、会社と争う可能性がある場合は、退職願を提出する前に弁護士などへ相談することも検討してください。
退職願に書かない方がいいNG表現
パワハラを受けていると、悔しさや怒りから強い言葉を書きたくなるかもしれません。
しかし、退職願に感情的な表現を書くと、かえって不利になったり、会社とのやり取りがこじれたりする可能性があります。
特に、次のような表現は避けた方がよいです。
NG表現1|相手を犯罪者のように断定する表現
たとえば、次のような表現です。
〇〇課長による犯罪行為のせいで退職します。
会社ぐるみの違法行為により辞めます。
〇〇上司は加害者なので責任を取ってください。
事実関係がはっきり整理できていない段階で、相手を犯罪者のように断定する表現は避けた方が安全です。
退職願では、相手を責める文章よりも、退職理由を簡潔に伝えることを優先しましょう。
NG表現2|感情的な悪口
次のような表現も避けた方がよいです。
最低最悪の上司に耐えられません。
人として終わっている職場なので辞めます。
こんな会社に未来はありません。
気持ちは分かります。
本当に限界まで追い詰められていると、こう書きたくなるのは自然です。
ただ、退職願は怒りをぶつけるための書類ではありません。
感情的な悪口を書くと、会社側から「冷静な申し出ではない」と受け取られる可能性もあります。
NG表現3|証明できない内容を言い切る表現
次のような表現にも注意が必要です。
会社は私を辞めさせるために嫌がらせをしました。
全社員が私へのパワハラを知っていました。
上司は明らかに私を精神的に追い込む目的でした。
実際にそう感じていたとしても、証拠がない内容を断定的に書くと、会社側と争いになったときに不利になる可能性があります。
退職願では、断定的な表現よりも、次のような冷静な表現にした方がよいです。
職場におけるハラスメントにより、就業を継続することが困難となったため
職場環境による心身の不調により、就業を継続することが困難となったため
相談済みの職場環境に関する事情により、就業を継続することが困難となったため
パワハラの詳しい内容は退職願とは別に残す
パワハラが原因で退職する場合、退職願にすべてを書く必要はありません。
むしろ、退職願は簡潔にして、詳しい内容は別で記録した方が整理しやすいです。
退職願に書く内容と、別で残す内容は分けて考えましょう。
| 書類・記録 | 書く内容 |
|---|---|
| 退職願 | 退職したい意思、退職希望日、簡潔な退職理由 |
| 別紙メモ | パワハラの日時、場所、相手、内容、目撃者 |
| 証拠 | 録音、メール、チャット、相談履歴、診断書など |
特に、次のような情報は別で残しておくとよいです。
- いつ起きたのか
- どこで起きたのか
- 誰から言われた・されたのか
- 具体的に何を言われた・されたのか
- その場に誰がいたのか
- 会社へ相談した日付
- 相談した相手の名前
- その後、会社がどう対応したのか
メモは完璧でなくても構いません。
ただ、「つらかった」「ひどかった」だけではなく、できるだけ具体的な事実として残すことが大切です。
「具体的に何を証拠として残せばいいの?」という方は、パワハラの証拠の集め方もあわせて確認してください。
「一身上の都合」と書いたら後からパワハラを主張できない?
多くの方が不安になるのが、次の点です。
退職願に「一身上の都合」と書いたら、あとからパワハラが原因だったと言えなくなるのでは?
結論として、退職願に「一身上の都合」と書いたことだけで、パワハラの事実がすべて否定されるわけではありません。
退職に至った事情を判断するときは、退職願の一文だけではなく、実際にどのような出来事があったのか、会社へ相談していたのか、証拠が残っているのかなども見られる可能性があります。
たとえば、次のような資料です。
- 上司の暴言を録音した音声
- ハラスメントに関するメールやチャット
- 人事や相談窓口へ相談した記録
- 日付入りのメモ
- 医療機関を受診した記録
そのため、「一身上の都合」と書いたからといって、過去に起きた出来事そのものが消えるわけではありません。
ただし、後から会社と争う可能性がある場合は、退職願の書き方も慎重に考えた方がよいです。
特に、慰謝料請求、労災申請、離職理由の争いなどを考えている場合は、書類を出す前に専門家へ相談することも検討しましょう。
会社から「一身上の都合と書いて」と言われた場合
パワハラが原因で退職しようとすると、会社から次のように言われることがあります。
退職願には一身上の都合と書いてください。
パワハラとは書かないでください。
その理由では受け取れません。
このように言われた場合、すぐに書き直す前に、まずは理由を確認しましょう。
会社によっては、単に一般的な書式として「一身上の都合」と案内しているだけの場合もあります。
しかし、実際にはパワハラが原因なのに、会社が問題を隠すために「一身上の都合」と書かせようとしている可能性もゼロではありません。
確認する場合は、次のように冷静に聞くとよいです。
退職理由は職場環境に関する事情なのですが、退職願には必ず一身上の都合と記載する必要がありますか。
また、やり取りは口頭だけで終わらせず、メールやメモで記録しておくと安心です。
会社の言うままに納得していない内容を書いてしまうと、あとで説明しにくくなる可能性があります。
不安がある場合は、労働局の総合労働相談コーナー、ハローワーク、弁護士などへ相談しましょう。
退職願を受け取ってもらえない場合
パワハラを理由に退職願を出したところ、上司から受け取りを拒否されることもあります。
こんな理由では受け取れない
一身上の都合に書き直せ
今は忙しいから受け取れない
退職は認めない
このような場合でも、上司だけが提出先とは限りません。
直属の上司が受け取らない場合は、次の提出先を確認しましょう。
- 人事部
- 総務部
- 本社
- 上位の管理職
- 会社の相談窓口
会社の就業規則に、退職に関する書類の提出先や提出期限が定められている場合もあるため、まずは会社のルールを確認してみましょう。
また、会社の承諾にかかわらず退職する意思を明確に伝えたい場合は、「退職願」ではなく、「〇年〇月〇日をもって退職します」など辞職の意思が明確に伝わる退職届を提出する方法もあります。
なお、期間の定めのない雇用契約では、原則として労働者から退職の申入れをした後、2週間が経過すると雇用契約が終了すると民法627条で定められています。
直接提出することが難しい場合は、会社の適切な窓口へ郵送する方法もあります。
郵送する場合は、自分用のコピーを残したうえで、会社への到達を確認できる方法を利用すると、後から提出の事実や時期を説明しやすくなります。
上司から「こんな理由では受け取れない」「退職は認めない」と言われて困っている方は、パワハラで退職願を受理してもらえない場合の具体的な対処法も確認してください。
パワハラ上司と直接話したくない場合
退職願の書き方が分かっても、「そもそも上司に提出するのが怖い」という方もいるはずです。
パワハラで心身が限界になっている場合、無理に一人で上司と向き合う必要はありません。
まずは、人事・総務・社内相談窓口など、上司以外のルートで退職の意思を伝えられないか確認しましょう。
会社の中で対応してもらえない場合は、労働局の総合労働相談コーナーなど、公的な相談先を使う方法もあります。
また、会社に退職を伝えること自体が大きな負担になっている場合は、退職代行サービスを利用する選択肢もあります。
退職代行を使えば、本人の代わりに退職の意思を会社へ伝えてもらえるため、パワハラ上司と直接やり取りせずに退職を進められる場合があります。
ただし、退職代行は運営元によって対応できる範囲が異なります。
- 民間企業の退職代行
- 労働組合の退職代行
- 弁護士の退職代行
会社との交渉、未払い賃金の請求、慰謝料請求などが関係する場合は、料金の安さだけで選ばず、対応できる範囲を確認することが大切です。
「自分の場合は民間・労働組合・弁護士のどれを選べばいい?」という方は、退職代行の民間・労働組合・弁護士の違いを確認してから選びましょう。
「退職願を出すことすら怖い」「上司からまた怒鳴られそうで動けない」という状態なら、自分一人で抱え込まず、外部の力を使うことも考えてください。
「もう自分で会社とやり取りするのは難しい」と感じていて、実際にサービスを比較したい方は、退職代行おすすめ3社の比較ランキングも参考にしてください。
パワハラ退職と一身上の都合についてよくある質問
退職願の理由は必ず一身上の都合ですか?
必ず一身上の都合と書かなければならないわけではありません。
ただし、退職願では詳しい理由を書かずに「一身上の都合」と簡潔にまとめることが多いです。
パワハラが理由なら退職願にパワハラと書いていいですか?
書くことは考えられます。
ただし、感情的な言葉で長々と書くより、「職場におけるハラスメントにより就業を継続することが困難となったため」など、冷静で簡潔な表現にした方がよいです。
一身上の都合と書いたら不利になりますか?
退職願に「一身上の都合」と書いたことだけで、パワハラの事実が否定されたり、必ず不利になったりするわけではありません。
ただし、退職願の写しが雇用保険上の離職理由を確認する資料の一つになることがあります。
そのため、本当はパワハラや嫌がらせが原因で退職する場合、後から離職理由について確認が必要になる可能性も考えて、会社への相談記録、メール、チャット、録音、日時を記録したメモなども残しておくことが重要です。
慰謝料請求や離職理由の訂正など、退職後に会社と争う可能性がある場合は、退職願を提出する前に弁護士などの専門家へ相談することも検討しましょう。
退職願にパワハラ上司の名前を書いてもいいですか?
退職願に上司の名前まで書く必要は基本的にありません。
誰から何をされたのか詳しく残したい場合は、退職願とは別にメモや資料として整理した方がよいです。
会社から一身上の都合に書き直せと言われたらどうすればいいですか?
まず、なぜ一身上の都合と書く必要があるのか確認しましょう。
納得できない場合は、安易に書き直さず、やり取りを記録したうえで、労働局や弁護士などへ相談することも検討してください。
退職願を受け取ってもらえない場合はどうすればいいですか?
直属の上司が受け取らない場合は、人事・総務・本社・上位の管理職など、別の提出先を確認しましょう。
直接提出できない場合は、会社の適切な窓口へ郵送する方法もあります。
パワハラが原因なら必ず会社都合退職になりますか?
パワハラが原因で退職したからといって、自動的に「会社都合退職」になるわけではありません。
ただし、上司や同僚などから故意に排斥されたり、著しい冷遇や嫌がらせを受けたりしたことが原因で離職したと認められた場合は、雇用保険上の「特定受給資格者」に該当する可能性があります。
最終的な離職理由は、本人と会社双方の説明や提出された資料などを確認したうえで、ハローワークが判断します。
そのため、会社が離職票を「自己都合」として作成した場合でも、実際の退職理由と異なるのであれば、ハローワークへ事情を伝え、証拠資料を提出して確認してもらうことが大切です。
まとめ|退職願は簡潔に、パワハラの記録は別に残す
パワハラが原因で退職する場合でも、退職願に「一身上の都合」と書くこと自体は可能です。
特に、まず退職手続きを進めたい場合や、会社と大きく揉めずに辞めたい場合は、「一身上の都合」と簡潔に書く方法があります。
一方で、会社にパワハラ被害を正式に伝えたい場合や、慰謝料請求・離職理由の争い・労災申請などを考えている場合は、安易に「一身上の都合」とだけ書く前に慎重に判断した方がよいです。
退職願にパワハラと書く場合も、感情的な悪口や断定的な表現は避けましょう。
おすすめは、次のような冷静な表現です。
職場におけるハラスメントにより就業を継続することが困難となったため
また、パワハラの詳しい内容は退職願にすべて書くのではなく、別で記録しておくことが大切です。
- 録音
- メール・チャット
- 日時や内容をまとめたメモ
- 会社へ相談した記録
- 医療機関を受診した記録
退職願は、退職の意思を伝えるための書類です。
パワハラの証拠をすべて詰め込む書類ではありません。
「一身上の都合」と書くか、「ハラスメントが原因」と書くかで迷ったときは、自分が何を優先したいのかを整理しましょう。
- 早く辞めたいのか
- 会社に被害を正式に伝えたいのか
- 退職後に請求や相談を考えているのか
- 離職理由を争う可能性があるのか
もし、パワハラ上司に退職願を出すこと自体が怖いなら、上司以外の窓口へ相談したり、郵送したり、退職代行を利用したりする方法もあります。
大切なのは、退職願の一文だけで無理にすべてを解決しようとしないことです。
退職願は簡潔に、パワハラの記録は別に残す。
この考え方で整理すれば、今の自分に合った退職の進め方を選びやすくなります。

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